こんにちは、瑠璃坊主です。
経験の少ない私は、IT業界の最先端を勉強するために最近、Google Cloudが開催したイベント「Google Cloud Next Tokyo ’25」の基調講演に参加してきました。

プラント業界で12年間、汗を流してきた僕にとって、この講演はまさに「未来の働き方」を体験する時間でした。AI技術が、僕たちのような未経験者にとっていかに強力な武器となり、仕事のあり方を根本から変えていくのか。
今回は、Google Cloud Next Tokyo ’25の最初に行われた基調講演の要約をお届けすることで、その衝撃と感動を少しでもお届け出来ればと思います。
1. Google Cloudの「本気」:AIの力を引き出す盤石な土台
講演は、Google CloudがAI活用にどれだけ本気で取り組んでいるかを示す部分から始まりました。ITの世界に足を踏み入れたばかりの僕には、まずこの**「土台(インフラストラクチャ)」**の重要性がとても新鮮でした。
Google Cloudは、ただ単にAIサービスを提供するだけでなく、そのサービスを世界中で安定して、速く、そして安全に使えるようにするために、莫大な投資をしているんです。
- グローバルなネットワーク:地球規模で広がる40以上のリージョン{データセンターがまとまって存在する地域のこと}は、まさにAI時代のグローバルな基盤です。このネットワークがあるからこそ、遠く離れた場所でも低遅延{データのやり取りにかかる時間が短いこと}でAIを活用できます。僕がいたプラント業界でも、IoT{モノをインターネットに繋ぐ技術}データのリアルタイム分析には、こうしたインフラが不可欠です。
- 圧倒的な投資規模:2025年単年で約10.7兆円の追加投資。これは、GoogleがAIとクラウド技術を、単なる流行ではなく、未来の経済を牽引する中核技術と捉えていることの何よりの証拠です。IT業界に身を置く者として、この規模感は本当にワクワクさせられます。
そして、最も重要なこととして強調されたのが、**「高品質なデータがAI活用の鍵である」**という点です。どんなに優れたAIモデルも、質の悪いデータからは良い結果を生み出せません。Google Cloudは、そのデータを安全かつ効率的に管理するためのプラットフォームを提供しています。これは、僕たちIT未経験者が、AIを活用する際にまず考えるべき「データの重要性」を教えてくれます。
2. 「Gemini」が拓く、クリエイティブな仕事の可能性

今回の講演で主役だったのが、Googleの最先端AIモデル**「Gemini(ジェミニ)」です。Geminiは、単に文章を生成するだけでなく、画像や音声、動画など、複数の形式の情報を同時に理解できる「マルチモーダル」**な能力を持っています。
- Geminiの進化:最新の「Gemini 1.5 Pro」や、コスト効率を重視した「1.5 Flash」が一般公開され、さらに新しいモデルも登場しています。注目すべきは、「Gemini 1.5 Flash」が東京リージョンでもリリースされたことです。これは、日本の企業がデータ主権{国や企業が自国のデータを管理する権利}やコンプライアンス{法令や規則の遵守}の課題を気にすることなく、安心して生成AIを導入できることを意味します。
- クリエイティブなAIツール:
- Imagen 3:文章から画像を生成するAIです。単に画像を生成するだけでなく、プロンプト{AIへの指示文のこと}に忠実な画像を高い精度で作り出し、さらにデジタル透かし機能で「AIが作った画像ですよ」と明示できる点が安心です。
- Lyria:文章から音楽を生成できるAIです。音楽制作の知識がなくても、テキストでイメージを伝えるだけで、オリジナルの音楽クリップを作成できます。
これらのAIは、単なる作業の効率化ツールではなく、僕たち人間の創造性や発想力をブーストしてくれるパートナーだと感じました。IT未経験だからこそ、これらのツールを使いこなすことで、今までの経験とAIの力を掛け合わせた新しい価値を生み出せるはずです。
3. AIエージェント:未来の働き方を具体化する「賢い相棒」

今回の講演で、僕が最も興奮し、感動したのが「AIエージェント」という概念です。
これは、単なる自動化ツールではありません。AIエージェントは、「推論」「計画」「実行」の3つの能力を持ち、まるで人間のように状況を判断し、計画を立て、複数のシステムと連携しながらタスクを自律的に完了させます。
講演では、このAIエージェントの具体的なデモンストレーションが披露されました。
- デモ1:メンテナンス管理者の視点
- 課題:通常、顧客からの問い合わせやセンサーデータ{IoT機器から得られるデータのこと}を基に、緊急性の高い案件を特定し、最適な現場担当者を手動でアサインする作業は、ベテランでも30分はかかります。
- AIエージェントの仕事:「緊急度の高い案件を特定し、担当者を割り振って」と指示するだけで、AIエージェントが問い合わせメールを読み解き、IoTデータから異常を検知し、最適なスキルと位置にいる担当者を自動で選び出して割り当てていました。わずか数秒で、これまで時間を要していた作業が完了したのです。
- デモ2:現場担当者の視点
- 課題:現場で予期せぬ問題が発生した際、その場で解決策を探し、作業完了後に詳細な報告書を作成するのは、現場担当者にとって大きな負担です。
- AIエージェントの仕事:AIエージェントは、日々のタスクを整理し、現場で発生した問題に対しては、スマホの動画を分析して解決策を提案します。さらに、作業が完了すると、AIが自動で報告書を作成し、上司に送信してくれます。担当者は、本来の「現場での作業」だけに集中できるようになったのです。
このデモンストレーションを見て、僕は「これこそが未来の働き方だ!」と確信しました。AIが単純な事務作業やデータ分析を肩代わりしてくれることで、僕たち人間は**「クリティカルな意思決定」や「人と人とのコミュニケーション」**といった、より高度な仕事に集中できるようになるのです。これは、IT未経験者でもプロフェッショナルなスキルを身につけるための強力な追い風になります。
4. 誰もがAIを使いこなす未来:GeminiとGoogle Workspaceの融合
講演では、**「すべてのビジネスユーザーが、毎日生成AIを使うようにする」**という、Googleの壮大なビジョンが語られました。
その鍵となるのが、僕たちが日頃から使っているGoogle Workspace{GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートなどの仕事向けアプリ}とAIアシスタントGeminiの融合です。
- リサーチ・情報収集の自動化:急な企画書作成の依頼が来ても、GeminiがGoogleドライブ{Googleのオンラインストレージサービスのこと}内の関連資料を自動で読み込み、市場トレンドや競合他社の情報を数分で要約してくれます。「思考の裏側」機能で、AIがどのようなプロセスで情報をまとめたかを確認できるので、信頼性も高く安心です。
- 専門資料の分析:「Notebook 11」という機能を使えば、PDFや音声データなど、さまざまな形式の専門資料をAIが分析してくれます。「この資料のポイントは?」と聞くだけで、AIが正確な引用付きで回答を提示してくれるので、情報収集にかかる時間が劇的に短縮されます。
- データ分析の効率化:Googleスプレッドシートに、SNSのコメントなどの膨大なテキストデータを貼り付け、Geminiに関数{Excelなどで使う計算式のようなもの}で分析を指示すると、ポジティブ/ネガティブな感情を自動で色分けしてくれます。これにより、これまで何時間もかかっていたデータ分析が、瞬時に完了するのです。
これらのデモは、ITの専門家だけでなく、営業、マーケティング、総務など、あらゆる職種の人がAIを使いこなせるようになることを示していました。IT未経験者にとって、これは大きなチャンスです。専門知識がなくても、AIを「使いこなす」スキルを身につけることで、新しい価値を生み出し、会社に貢献できるからです。
5. 日本の未来を変えるGoogle Cloudの役割

講演の最後には、日本の社会が直面している課題と、Google Cloudがどのようにその解決に貢献するかが語られました。
- 労働人口減少という現実:2050年までに日本の労働人口は20%も減少すると言われています。このままでは、多くの企業が人手不足に陥り、ビジネスの継続が困難になる可能性があります。
- IT環境の遅れ:今のIT環境のままでは、AIを使いこなせる若い世代が、そのスキルを活かせないかもしれません。これは企業の成長を妨げる大きな要因になります。
こうした課題に対し、Google Cloudは**「フルスタック」**{必要なサービスをすべてセットで提供すること}なソリューションで対応すると述べました。最先端のAIから、それを動かすインフラ、そして開発プラットフォームまで、すべてをワンストップで提供することで、企業はAI導入にかかる時間とコストを大幅に削減し、本来注力すべきコアビジネスに集中できるようになるのです。
僕たちのようなIT業界のルーキーは、ただ技術を学ぶだけでなく、こうした大きな社会課題を解決するためにITがどのように役立つかを理解することが重要です。この講演は、Google Cloudが日本の未来を創るパートナーとして、AI技術を安全かつ効率的に使える環境を整備していくことを強くアピールしていました。
最後に
Google Cloud Next Tokyo ’25の基調講演は、単なる技術の発表会ではありませんでした。
それは、AIが僕たちの働き方を、そして社会をどう変えていくのかを具体的に示してくれる、未来へのロードマップでした。
IT未経験からこの世界に飛び込んだ僕にとって、AIは決して「仕事を奪う脅威」ではなく、「僕たちの可能性を広げる、頼もしい相棒」だと感じました。
これからも、このブログでAI時代の働き方や、ITの世界で生き抜くためのヒントを発信していきます。
一緒に未来の働き方を探求していきましょう!
基調講演で行われたデモンストレーションの記事はこちら>>>Google Cloud Next Tokyo ’25:事例から見えたAI活用の最前線
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