【知らないと怖い?】クラウドは安全?IT初心者が知っておきたいセキュリティと信頼性の話

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皆さん、ご安全に!瑠璃坊主です。

前回は、クラウドの利用形態である「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」について解説しました。クラウドの便利な仕組みが少しずつ見えてきたでしょうか?

前回の記事はこちら↓

【初心者向け】パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いとは?

今回は、Udemyの講座「初めてのクラウドの入門-ビジネスパーソンがクラウドコンピューティングの基本を学び、ビジネスへの活用方法を知る」で学んだ「クラウドの安全性(セキュリティ)と信頼性」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

「クラウドって、自分の大事なデータを預けても本当に大丈夫なの?」

「自社の機密情報を、他社のサーバーに置いておくなんて不安だ…」

そう感じている人も少なくないと思います。結論から言うと、多くのケースで、クラウドはオンプレミス{自社でサーバーやネットワーク機器を保有し、管理するシステム形態のことよりも高い安全性を確保できると考えられています。

なぜそう言えるのか、そしてどんなリスクがあるのかを、一つずつ見ていきましょう。

瑠璃坊主

1992年秋田に生まれる。工業高等専門学校の機械科卒業。20歳から長崎に移り住み製造業で仕事をするようになる。ここ数年、時代の変化もあり私の勤めている業界が下火になったのをきっかけに、IT業界にキャリアチェンジ。意な言語は特になし。

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クラウドに潜むリスクの種類と対策

どんなに優れたシステムでも、リスクを完全にゼロにすることはできません。クラウドも例外ではなく、いくつかのリスクが存在します。それらのリスクを事前に知り、適切に対策を講じることが重要です。

1. 事業者側のトラブル

利用しているクラウド事業者のシステムで、予期せぬトラブルが発生し、サービスが一時的に停止したり、最悪の場合、データが失われたりする可能性があります。

対策: このリスクに備えるためには、「冗長化」と「バックアップ」が鍵となります。

  • 冗長化{システムを二重化・多重化すること。片方のシステムがダウンしても、もう片方でサービスを継続できるようにする仕組み: 大手クラウド事業者は、世界中にデータセンターを分散して配置しています。例えば、東京のデータセンターで大規模な障害が起きても、大阪のデータセンターに瞬時に切り替えることで、サービスを継続できるようにしているんです。これは、自社で複数のデータセンターを運用することが難しい中小企業にとって、非常に大きなメリットとなります。
  • 定期的なバックアップの取得: 万が一の事態に備え、データのバックアップを定期的に取得しておくことが重要です。クラウドサービスには、データの自動バックアップ機能が標準で備わっていることが多いため、これを活用することで手間をかけずにデータの安全性を高めることができます。

2. 通信時のリスク

クラウドサービスは、インターネットを通じてアクセスするため、通信時に悪意のある第三者から情報を盗み見られたり、なりすましをされたりするリスクがあります。これを「中間者攻撃{通信している二者間(例えば、あなたのパソコンとクラウドのサーバー)に第三者が割り込み、情報を盗聴・改ざんするサイバー攻撃」と言います。

対策: このリスクを回避するために、通信を「暗号化」します。

  • 暗号化: データを他人に読み取れないように、ルールに基づいて変換することです。皆さんが普段見ているWebサイトのアドレスが「http」ではなく「https」になっているのは、この暗号化が行われているためです。「https」の「s」は「Secure(安全な)」を意味しており、通信が暗号化され、安全に情報がやり取りされていることを示しています。重要な個人情報などを入力する際は、必ずアドレスが「https」になっているか確認する癖をつけましょう。

3. 人為的なミス

どんなにシステムが完璧でも、それを管理・操作するのは人間です。設定ミスや操作ミスといった「ヒューマンエラー」でシステムに障害が発生するリスクは避けられません。

対策: ヒューマンエラーを減らすための対策はいくつかあります。

  • 作業者のスキルアップ: 研修や資格取得を通じて、作業者のITスキルを向上させることは基本中の基本です。
  • 事前の検証: 本番環境に適用する前に、テスト環境で十分に動作検証を行うことも重要です。
  • 自動化を進める: 繰り返し行うような作業は、自動化ツールを使うことで、手動での操作ミスをなくすことができます。クラウドサービスには、このような自動化ツールが豊富に用意されているので、積極的に活用することが推奨されています。

4. サービスの継続性

利用しているクラウドサービスが、事業者の都合で突然終了してしまうリスクです。

対策: このリスクを回避するためには、利用するサービスを慎重に選ぶことが大切です。

  • 世界的な大手サービスを利用するAWS(Amazon Web Services)Azure(Microsoft Azure)、**GCP(Google Cloud Platform)といった世界的な大手サービスは、多くの企業が利用しており、すぐにサービスが終了する可能性は極めて低いと考えられます。もしサービスが終了する場合でも、事前に十分な告知が行われるのが一般的です。
  • マルチクラウドを利用する: 一つのクラウドサービスに依存するのではなく、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する「マルチクラウド」という考え方もあります。これにより、万が一あるサービスが終了しても、別のサービスで業務を継続できる体制を整えることができます。

🌍なぜクラウドはオンプレミスより安全と言われるのか?

「リスクがあるなら、やっぱり自社ですべて管理した方が安心じゃないの?」

そう考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、多くのケースでその答えは「いいえ」です。

世界的な大手クラウド事業者は、私たちが想像する以上に、莫大な費用と最高レベルの技術力をセキュリティに投じています。

例えば、Amazon、Microsoft、Googleのような企業は、何兆円ものお金をかけて、世界中から優秀なエンジニアを集め、24時間365日、最新のセキュリティ対策を講じています。物理的なセキュリティ(警備員や監視カメラ)から、サイバーセキュリティ(ハッキング対策)まで、あらゆる脅威に備えています。

自社でこれと同じレベルのセキュリティ環境を構築し、維持するのは、ほとんどの企業にとって現実的ではありません。

英国国防省でさえ、「パブリッククラウドの方がオンプレミスよりも安全だ」という見解を公式に発表しています。なぜなら、クラウド事業者はセキュリティパッチ{ソフトウェアの脆弱性(セキュリティ上の欠陥)を修正するためのプログラムのことをより早く適用し、常に最新のセキュリティ機能を維持しているからです。

僕たち利用者は、この巨大な企業のセキュリティ対策の恩恵を、安価に享受できるというわけですね。


まとめ

今回は、クラウドの安全性と信頼性について、僕自身が学んだことを皆さんと共有しました。

  • クラウドには様々なリスクがあるが、それはオンプレミスでも同じ。リスクはゼロにならないことを前提に、適切な対策を講じることが重要です。
  • 多くのケースで、大手クラウド事業者のパブリッククラウドを利用する方が、自社で管理するよりも高い安全性を確保できます。
  • 安全性を確保するためには、利用者側も「暗号化されているか?」や「バックアップは取っているか?」など、常に意識することが大切です。

今回の内容で、クラウドに対する不安が少しでも軽くなったら嬉しいです。IT業界に転生した僕も、日々新しい知識を吸収しているので、また皆さんに役立つ情報をお届けしたいと思います。

次回は、クラウドのメリットについて、さらに詳しく見ていきます!お楽しみに!

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